理想的な歯列は、真上から見るときれいなアーチを描いています。叢生は、歯がガタガタと前後にズレて生えたり傾いたりして、このきれいなアーチが描けていない状態です。
叢生の他、乱杭歯とも呼ばれます。また、犬歯などが歯列から飛び出してしまう八重歯も、叢生の一種です。

乳歯は、永久歯より小型です。乳歯できれいな歯並びであっても、永久歯に生え替わるときにスペースが足りなくなり、叢生になることがあります。もちろん成長とともに顎も大きくなっていくのですが、近年は硬いものを食べる習慣が少なくなったこともあり、顎の発達が遅れたり、不十分になることがあり、生え替わりによって叢生になるケースが目立ちます。

将来的な歯・お口の健康考えると、すべての歯が揃い、正しく機能させるとともに、咀嚼の負担を分散して歯を長持ちさせるのが理想です。そのため、当院ではできる限り抜歯を回避した矯正治療に努めています。
ただし、成人の方でこれ以上の顎の発達が見込めず、かつスペースが大きく不足している場合などには、抜歯してきれいな歯並びになることを優先することがあります。
いずれにしても、その判断は症例によって異なります。また事前に患者様と十分にお話しして決定いたしますので、ご安心ください。

八重歯など、1本だけ歯列からはみ出しているケースも、叢生に分類されます。
チャームポイントとも言えますが、不正咬合、虫歯・歯周病リスクの上昇が心配されますので、治療をおすすめします。

顎が小さい、歯が大きい、乳歯の早期喪失、永久歯の生える角度の問題、指しゃぶりや舌癖、口呼吸など、複数の要因が重なって起こります。

顎の大きさや歯の大きさは遺伝の影響を受けるため、ご家族に叢生があると似た歯並びになりやすい傾向があります。

見た目だけでなく、清掃性の低下によるむし歯・歯周病のリスク上昇、噛み合わせの不調、発音への影響など、口腔機能にもトラブルが生じやすくなります。

永久歯がすべて生えた後に自然に整うことはほぼありません。悪化するケースもあるため、早めの相談が大切です。

永久歯が生え始める6〜7歳頃に一度チェックすることをおすすめします。この時期は顎の成長を利用した早期治療が可能です。

はい、成人でも問題なく治療可能です。成長期と異なり顎の拡大には限界がありますが、矯正によって歯列を整えることができます。

歯の位置が不規則だと舌のスペースが狭くなり、特に「サ行」「タ行」が発音しにくくなることがあります。

軽度なら部分矯正で改善できる場合もあります。ただし奥歯の噛み合わせに問題があると、全体矯正が必要になることがあります。

軽度から中等度の叢生であればマウスピース矯正で改善できることが多いです。歯の移動量が大きい場合はワイヤー矯正が適していることもあります。

噛み合わせが不安定なため、顎の関節に負担がかかり、顎関節症の原因になることがあります。

歯の重なりによってブラシが届きにくく、汚れが残りやすいため、むし歯や歯周病リスクが高まります。

レントゲンやCT、口腔内スキャン、模型分析を行い、顎の大きさ・歯の配置・噛み合わせを総合的に診断します。

軽度の部分矯正で半年〜1年、全体矯正で1〜2年程度が一般的です。

抜歯する場合は噛み合わせ全体のバランスを考えて慎重に判断します。適切に調整すれば機能面への影響はありません。

治療可能です。ただし噛み合わせを整えるため、片側だけでなく上下両方の調整が必要になることがあります。

後戻りの可能性があります。治療後はリテーナー（保定装置）を使用して歯を安定させることが重要です。

顎を広げる装置の使用や、歯列アーチを調整することで非抜歯での治療が可能なケースもあります。ただし、症例により適応が異なります。

できますが、大幅なスペース確保が必要なため、抜歯矯正やワイヤー矯正が選択されることが多くなります。

軽度であれば可能です。ただし噛み合わせや歯列全体のバランスを考えると、全体矯正をおすすめするケースもあります。

歯が不規則に並んでいると噛み切りにくい、食べ物が詰まりやすいなど、食事のしにくさを感じることがあります。